男性60才代の患者さんのことです。結論からいうと2件ことわられて当院へ頼みに来られました。
1件目は「その人を以前から診ていないので、責任をもって診ていくのは無理」「だからお断りします」
2件目は忙しいので終末期の往診は無理とのこと。
そして3件目は私のところへ、「2件もことわられました」といわれましたので、「はい、わかりました」で了承しました。
別に批判はするつもりはありませんが、同じ開業医でありながら、末期がんとはいえ患者さんを選んでいるような気がします。条件はみな同じなのに、どうして断るのでしょうか!?
当然私一人では終末期医療はできませんが、訪問看護ステーションをはじめ、ケアマネ・・・らで協力してやっていくことになります。
7・8年前の話ですが、某医院に通院中の患者さんがだんだん寝たきりになってきて、連れて行けなくなったら診療を断られたそうです。そこの患者さんは現在は私が往診しています。少し攻撃的な認知症があり、診察時に殴られたり、噛まれたりしたことがあります。自分が診ていた患者さんなら、通常は往診しなくてもこの人だけでも往診したらどうかと思います。
往診(単発的)、訪問診療(定期的に)は、家庭の中に入ります。ある程度プライバシーに踏み込んでしまいます。どうしても人と人とのつながりがでてきます。信頼関係が特に大切だと思っています。医師である前に人間でありたいものです。往診は決して一人でできるものではありません。患者さんの家族、看護士、ケアマネ、場合によっては市職員も加わって成り立つものです。
この仕事(往診)は引き受けても、断りにくい仕事と思っています。でも、患者さんに断られることもありますので、そうなればますます辛くなってしまいます!!