この観光船の沈没関して、解説している人はたぶん同じような状況で船に乗っている人は少ないと思います。理屈で解説していると思います。理屈も大事ですが、10年くらい前にクルーザーに実際に乗って2mの波の中を操船したことがあります。淡路のマリーナのクルーザーのレンタル会員になっていた時の話です。洲本から和歌山に向かって出航しました。注意報が出ていましたが、海は荒れていませんでした。そのときの経験からいうと、3mの波で出航なんてあり得ないと思います。港を出るときはほとんど波はありません。外へ行けば、急に波が大きくなります。もし3mの波ならその時点で引き返していると思います。途中まであまり波が高くなかったので遠くまで行ってしまったのでしょうか?問題は波が高いと船は滑走できません。つまり速く走れなくなります。救援を呼んだときはまだ、港からだいぶん離れていたようですので、帰れなくなったと思います。
私自身2mの波でもあの広い海で船をUターンするのに5分以上かかりました。そのままUターンすると波の谷間に入って転覆しそうになります。波がややおさまったのを狙って方向転換しないと危険です。ちなみに乗っていた船は35フィート(大型観光バスの長さ)の大きなプレジャーボートです。
問題点は次のことだと思います。
①天候を無視。波、風を考えると観光船は出航不可!
②船底に15cmの傷がある、修理はしておくべき
③航行が難しいと判断したら、直ちに中止し、寄港すべき。
④航行困難になったら、すぐに救助要請をしていない。
3mの波で停船しているのが、もっとも危険。漂流し、座礁し
そして転覆しやすくなる。また水温が低く救命胴衣だけでは、
寒さ対策ができていないため一時間ももたず助からない。
救命ボートでも寒い気温では数時間しかもたないと思われます。
こんな事故はもう二度と起こしてほしくありません。
船に乗るときは、やめる勇気をもって乗ってくださいと
いつも言われていたのがよくわかります!
犠牲になられた方のご冥福を祈ります。