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 ホームランは55本以上はありえない!?(その3)

 もうひとり、「しょうがない」と語っていた日本人選手。

 もうひとり「しょうがない」と語っていた選手が、松井秀喜だ。松井は巨人時代、自分と本塁打王を争っているライバルを味方の投手が敬遠するのを外野から眺めながら「勝負しろよ」と思っていたという。

「日本のプロ野球がああいう歴史をつくってしまった。だから、しょうがないんですけど、僕は納得してなかったですよ。個人にタイトルを取らせるためにああいうことをするのは。野球はそういうスポーツではない」

 でも松井も言わなかった。いや、言えなかったのだ。自分のためにやってくれているというのもある。そして、そうまでしてもタイトルが欲しいという思いがまったくなかったと言えば嘘になるだろう。

「ショウガナイ」を解消する確実な方法。

 ラミレスや松井の話を聞き、こうした慣習が日本球界から消えることは未来永劫ないのではないかと思った。

 ただし、ラミレスが語った2つ目の「ショウガナイ」を解消する方法は確実にひとつある。誰かが記録を塗り替えればいいのだ。

 バレンティンが現在52本。残りは30試合。このままのペースでいけば悠々55本をクリアしそうな気配だ。

 大事なのは「悠々」超えることだ。バースも、ローズも、カブレラも、残り数試合まで記録達成を引っ張った。そこで対戦した「関係者球団」は半ば、やらざるをえなくなってしまったのだ。日本人の総意として――。
 セ・リーグの中で「関係者球団」と言えるのは巨人だけだ。だが残り十数試合もあるのにさすがに敬遠はできまい。
 とにかく一気に抜き去ることだ。そうすれば、日本人の総意という見えない壁は崩壊する

 こんなちっぽけな「日本人の総意」は、早くなくなってほしい。ボールが飛ぶんだから記録は破られてあたりまえ!
 

 ホームランは55本以上はありえない!?(その2)

 ある新聞の記事です。

 プロ野球を観ていて、やむをえないと諦めつつも、どこか割り切れなさが残るのがタイトル争いにまつわる敬遠や不出場だ。そして今、ヤクルトのバレンティンが55本を超えるかどうか注目を集めている。

 シーズン開幕前、DeNAのラミレスに2時間ほどインタビューしたとき、日本の野球が心底好きだというラミレスに、あえて否定的なことを言わせたくなり「タイトル争いのときに敬遠したりすることについてどう思うか」と尋ねている。
 ところがラミレスは実に冷静というか、ある意味、達観していた。
「外国人として受け入れがたいことは『ショウガナイ』って思うことが大事。ジャパニーズスタイルは理解しているよ」
「自分が監督でも敬遠していたんじゃないかな」
 ラミレスは巨人時代、2008年に横浜(球団名は当時。以下同)の村田修一とホームラン王争いをしているとき、横浜戦で4度敬遠されたことがある。
「自分が監督でも同じことをしていたんじゃないかな。ショウガナイ。チームにタイトル争いのトップに立つ選手がいたら、その選手を守るのは監督の重要な仕事。自分も首位打者争いをしているときに(打率を下げないために)試合に出なかったことがある。たとえ、それを他人に批判されても自分はまったく気にならない。そういうことをしたくなかったら、選手はぶっちぎりの成績を残せばいいだけのこと」
 さらに王貞治の年間最多本塁打記録55本にまつわる過去の敬遠騒動についても聞いた。これまで'85年のランディ・バース(阪神)が54本で、'01年のタフィ・ローズ(近鉄)と'02年のアレックス・カブレラ(西武)が55本で、それぞれ1試合ずつだが四球攻めという洗礼を浴びている。
 バースは巨人に、ローズとカブレラはダイエー(現ソフトバンク)に勝負を避けられた。監督はいずれも王だったが、王の指示ではなく周囲の配慮だったようだ。
 ラミレスは「外国人で55本を破る人は出てこないのでは」と語っていた。
「王さんはやっぱりキング。キングであり続けて欲しいというのは日本人の総意だから。僕が監督でも相手が日本人だったらどんどん投げさせるけど、外国人だったら歩かせるかも。ショウガナイ。ショウガナイネ」
 もっとも違和感を覚えているはずの外国人であるラミレスが言うのだから、やはり本当に「ショウガナイ」のではないかと思った。

 でも、王さんも台湾出身の外人ですよ!!

 ホームランは55本以上はありえない!?

 現在バレンティン選手(ヤクルト)がホームラン記録に向かって邁進しています。王貞治さん(巨人;1964)に55本が日本記録になっています。バースさん(阪神;1985)に54本ホームランを打っていますが、54本からは他球団の各投手は4球でほとんど打たせてくれていません。ケツの穴の小さい選手ばかりですね。
 しかし、今年はおもしろいんです。バレンティン選手(ヤクルト)は遥か60本を超えるペースでホームランを量産しています。残り試合がまだまだ残っているため敬遠ばかりできない状況です。まだ優勝もきまっていないのに、一個人のタイトル(日本記録)のために勝敗まで無駄にすることはしないと思います。
 昨日の試合(対DeNA戦)、先発の吉川投手は2回4球をだしています。逃げているのではなく、くさい球で攻めており、バレンティン選手の選球眼が勝って2打席4球となっています。3打席目も4球ではプライドが許さないと思い、低めでいい球でしたがHRを打たれてしまい、52本になりました。1打席目4球、2打席目4球、3打席目HR(吉川投手)、4打席目3振、5打席目遊ゴロと選球眼がよく、出塁率は本日は6割!

 ホームランがよく出るようになったのには2つの理由があります。
 原因1)は、ボールがよく飛ぶようになっています。バレンティン選手なら大きめの外野フライならホームランになります。
 原因2)は、バレンティン選手が去年のホームラン狙いの大振りスイングからコンパクトスイングに変更しています。ボールが飛ぶから、大振りしなくてヒット狙いでホームランになるからです。去年と違うのは、スイングがコンパクトなのでボールをよく引き付けて打っているので、ボール球に手を出さず、ストライク球を待って打つようになり、よけいに打率、ホームランもアップしているというわけです。
 王さんの記録も大事ですが、記録は破られるものです。バレンティン選手が60本以上打って破ってほしいものです。
 NLB(日本プロ野球)の選手は勘違いしています。今の野球は日本のものではありません。世界のものです。なぜなら、本場MLB(大リーグ)よりもNLBの方が強く、WBCで日本が2回も優勝しています。日本人の記録を残すなどセコイことをいわず、どんどん挑戦してもらってこそ、真剣勝負のフェアースポーツと思います。だからこそ感動し、おもしろいと思います。ついでにもっと審判も正確なジャッジをしてほしいですね!!